あなたは英文を読むのが得意ですか?
リーディングについてはこれまでテキストや長文問題等、学校の勉強で触れることが多かったのではないかと思います。
実際にリーディングは使用頻度が高く、最も身近な英語のスキルだと言えます。
そこで今回は、より速く正確に英文を読むことができるようになるために押さえておきたいポイントや、リーディングの練習方法についてご紹介したいと思います。
十分勉強してきた?英語のリーディングを軽視してはいけない理由
リーディングは英語学習の基本
冒頭でリーディングは最も身近な英語のスキルだと述べましたが、これはちょっと考えていただければ納得してもらえるかと思います。
英語を読もうと思えば、小説や自己啓発本等の洋書や、インターネット、ニュースアプリ、SNS等無料でも簡単に読む対象となるものを見つけることができます。
例えば、仕事をする上で英語を実際に話すことはあまりなくても、海外取引先とのメールのやりとりや英語で書かれた資料を読む等はするという方も多いのではないでしょうか。
また、リーディングは書かれている文章を理解するという受け身のスキルです。
そのため、英語のアウトプットであるライティングやスピーキング、また日本語に無い音を聞き取る必要があるリスニングほどハードルは高くありません。
リーディング力を強化するメリット
一方で、英文を読むのが得意になると、得られるものは大きいです。
まず、単語や文法を把握し英語の情報を理解できるので、リスニング力が上がります。
どれだけ英語の音を聞き取るのが得意でも、その音で作られる言葉がどんな意味かを理解できなければリスニング力は付きませんからね。
また、英語独特の言い回しや文章の構成に慣れるので、ライティング力が上がります。
もちろん他の記事で書いたようにライティングに慣れるための練習は必要ですが、英文を読むのが得意な人と不得意な人では、自ずとライティングの上達具合が変わってきます。
そして最後はスピーキング。これも言わずもがなですが、単語や文法を理解していないと書くことはもちろん、話すことは非常に難しいと感じるでしょう。
たかがリーディング、されどリーディング。
英語の4つのスキルは全て繋がっており、どのスキルが上達しても他のスキルに良い影響を与えてくれます。
とりわけリーディングは前述のように全ての英語学習の基礎になるため、英語が上手くなりたいなら避けて通ることはできません。
英語の長文が読めない人が意識すべき3つのこと、レベル別リーディングにおすすめの教材
では、リーディングの練習のためにはどんな点に気を付ければいいかと言うと、以下の3つのポイントを意識することをおすすめします。
- 語彙(ボキャブラリー)を強化する
- 文法を理解する
- 英文を読む習慣を身に着けて英文に慣れる
読んで字の如くですが、順番に説明していきますね。
1. 語彙(ボキャブラリー)を強化する
まずは語彙を強化することです。語彙力は英語を使う上で必ず役に立ちます。
英語学習と言うと花形であるスピーキングに注目しがちですが、単語を知らないとそもそも言葉を紡ぐことができません。
また、リーディングでもリスニングでも語彙力が無いと内容を理解できず、英語を学ぶモチベーションが下がってしまいます。
自分が使える語彙を増やす、つまり単語を覚えることは例えるなら筋トレのようなもので、地道な努力が必要になります。
ですが、語彙力が身についてくると英語の理解度がぐっと上がりますし、実際に自分が書いたり、話したりする上でも役立つこと間違いなしです。
語彙力アップのためのおすすめの方法
そこで、語彙力アップのためのおすすめの方法は、
- 初心者は単語帳の基本単語から始める
- 中級者以上は興味のある内容の文章から知らない単語をピックアップする
- 上級者は細かいニュアンスを知るため「英英辞典」を活用する
です。
何をもって初心者、中級者、上級者とするかは難しいですが、以下のようなイメージで書いていきます。
初心者・・・英語を学び始めたばかりの人や、長い間ほとんど英語に触れていなかった人
中級者・・・時間をかければ中高レベルの英語は概ね理解できる人
上級者・・・仕事等で日常ある程度英語を使っているが、英文を読むのが得意ではない人
初心者の場合:まずは単語帳の「基本単語」から
初心者の方はまず、高校生が使用するような単語帳の「基本単語」の部分を繰り返し目にして覚えるようにしてください。
面白い作業ではありませんが、英語学習を進める上で必ず役に立ちます。
注意してほしいのは、最初から難しい単語まで覚えようとする必要はないということです。
まずは基本単語をしっかり身に着けて、それから興味のある文章をどんどん読んで実践練習をすることをおすすめします。
中級者の場合:自分の興味のある内容の英文を読む
中級者以上の方は、自分の興味のある内容の英文を選んで、自分の知らない単語をピックアップして意味を調べてみましょう。
この時、自分にとって難しいと思う文章を選ばないように注意してください。無駄にモチベーションを下げてしまうことを避けるためです。
感覚としては、さらっと読んで7、8割ぐらい理解できそうなもので、短めの文章を選ぶことをおすすめします。
記憶に定着させるため、意味が分からなかった単語は数日後に見直すなど、必ず1度は復習するようにしてください。
上級者の場合:英英辞典を活用する
上級者の方になるとある程度語彙力が身についているため、意味の似た単語の使い分け等で迷うことがあるかもしれませんね。
さらに語彙力をアップさせるためには、
英単語の意味を英語で説明してくれる「英英辞典」を使って、細かいニュアンスを捉えていく
ことをおすすめします。
これは、翻訳された日本語では単語の意味が分かりにくいものがあるからです。
私はいつも「Oxford Learner’s dictionary」というオンライン辞書を利用しています。
語彙力アップのために必ず行うべきこと
そしてもう一点、どのレベルにおいても是非意識してほしいのは、
分からなかったり気になったりした単語の意味はすぐ調べる
ことです。
単語はなかなか一回で覚えるのは難しいので、気になったらすぐ調べるのをクセにして、何度も何度も頭に叩き込んでいきましょう。
当たり前のように聞こえますが、実践できている人は少ないと感じます。
英単語を覚えるコツについては「英語の語彙力を増やすには?英単語の効率的な覚え方」の記事で詳しく書いています。
2. 文法を理解する
2つ目は文法です。
文法についても語彙と同様で、分からなすぎる状態で手あたり次第に英文を読んでも、内容がほぼ理解できなくて英語学習のモチベーションを下げるだけです。
完璧な理解までは求める必要がないですが、基本は必ず押さえるようにしましょう。
初心者、英語のやり直し学習の場合:中高レベルの文法を復習
社会人になってから英語を改めて勉強する場合や初心者の方は、
中高レベルの文法を一気におさらいできるような本を1冊買って、ある程度理解できるまで読み込む
ことをおすすめします。
面白い作業ではないかもしれませんが、必ず今後英語を学ぶ上であなたの役に経ちます。
私が実際に中学生に文法を教えるときに使用している教材の1つがこちらです。
量もそれほど多くなく、基本からおさらいできるのでやり直し学習にもおすすめです。
中級者以上の場合:疑問が浮かんだら文法書を小まめに確認
中級者以上の方でも、
1冊文法書を持っておいて、疑問が生じた際に時折参照するようにする
と文法の理解がぐっと深まります。
学生時代に使用していたものが残っていればそれを使えばいいですし、なければ手頃なものを1冊購入してもいいのではないでしょうか。
高校生が使う、書店で言えば参考書コーナーにあるもので十分です。
私は『フォレスト』という参考書を持っていますが、様々な文法が分かりやすく説明されていておすすめです。
現在は販売終了しているようなので、これからお買い求めの方は『フォレスト』の後釜的存在である『エバーグリーン』をおすすめします。
3. 英文を読む習慣を身に着けて英文に慣れる
「英文に慣れましょう」というと当たり前というか、突き放すように聞こえるかもしれませんが、
リーディングが苦手という人は圧倒的に読む(読んできた)量が少ない
ことが多いです。
ある程度語彙力や文法の知識を身に付けたら、自分の興味がある英文をたくさん読んでみてください。
「自分の興味がある」というところが継続するための肝で、例えば普段から新聞等ニュース記事を日本語でもあまり読まない人が、いきなり英文のニュース記事を読むのはおすすめしません。
面白いと感じないと、なかなか継続できないからです。
最初のうちはまず自分が「面白そう」と感じる身近な内容のものから読んでみて、徐々に読むジャンルの幅を広げていきましょう。
スマホで楽しみながら英文を読むのにおすすめのサイトはこちらでご紹介しています。
英文に慣れるためのおすすめ方法:洋書を1冊読み切ってみる
リーディングにしっかり取り組むなら、おすすめは洋書を一冊読み切ってみることです。
一冊読み終えることで自信がつきますし、読み終わる頃にはかなりの数の単語と出会っているはずです。
大型書店にいけば洋書を置いているところは多いですし、難易度の目安としてTOEICのスコアが書かれているものもあり、探しやすいと思います。
近くにそのような書店が無い方は、Amazon等のネット通販で簡単に見つかりますよ。
初めのうちは、ネイティブのティーンが読むような小説なんかが読みやすいのではないかと思います。
私も学生時代に『Walk to Remember(ウォーク・トゥ・リメンバー)』や『The Notebook(きみに読む物語)』を読んでいました。
できれば映画化されているものを選ぶと、映画を観て先に内容を理解しておけるので、気軽に本を読み始めることができます。
「そんな青臭いものは読めない」と言うなら、日本語に翻訳されている自己啓発書の原書を読んでみるのはいかがでしょうか。
日本語版も一緒に手元に用意しておけば、英文の意味が分からなかったときに日本語訳を見ることができますし、内容も役に立つものが見つかるはずです。
洋書を読むのにおすすめのKinlde Unlimitedについては、「スマホで英語学習!洋書多読にKindle Unlimitedをおすすめする3つの理由」の記事で詳しく書いています。
英文を読む際に注意すべきこと:英語は英語の流れで読む
英文を読むときに是非とも注意してほしいのは、
英文はどんどん前から訳していく
ということです。
英文をキレイな日本語に直すために、文を一度終わりまで読んで、後ろから訳していくのがクセになっている人が多いです。
しかし、速く読むためには前からどんどんぶつ切りで訳して意味を取っていくべきです。
リーディングでは自分さえ意味が理解できればいいので、頭の中でキレイな日本語に直す必要はありません。
この方法に慣れると読むスピードがアップするとともに、スピーキングやライティングの際に自分英語を「組み立てる」ための基礎にもなります。
自然と前から訳していけるようになるまで、意識して取り組んでみてください。
速読のコツやトレーニングについては、「TOEICや英検でリーディングの時間が足りない…英語速読のコツとトレーニング」の記事で詳しく書いています。
英語のリーディングのコツと練習法まとめ
- 語彙(ボキャブラリー)を強化する
- 文法を理解する
- 英文を読む習慣を身に着けて英文に慣れる
今回はリーディングの力を鍛えるために押さえておきたいポイントや練習方法について書きました。
繰り返しますがリーディングは全ての英語学習の基礎になるので、しっかりやっておいて損はありません。是非、身近な英文からトライしてみてください。
すらすら読めるようになると英語がもっと楽しくなるよ!
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