と悩んでいませんか?
英検の良いところでもあり、受験者を悩ませるところでもあるのが二次試験、つまり英語の面接があることです。
一次試験は勉強の時間を確保できていればある程度成果が出るのに対し、二次試験ではポイントをつかんで練習しておかないと逆に遠回りになってしまうこともあり得ます。
本番で緊張して全然話せないなんてことを避けるためにも、しっかりと効果的な練習を重ね、準備万端にしておきましょう!
今回は、実際に私が英検準1級二次試験に向けて取り組み、合格へと繋がった面接対策法についてご紹介します。
英検準1級二次試験の内容・形式・合格率は?
英検準1級二次試験の形式
まず、英検準1級二次試験の問題形式は大きく分けると次の3つです。
- 自由会話
- 4コマイラストを見てナレーション(描写)
- 受験者の意見を問う問題(4問)
流れとしては、
面接官と簡単な日常会話→イラストの描かれたカードを受け取る→2分間のナレーション→ナレーションに関係する質問(1問)→ カードのトピックに関連する質問(3問)
となります。
英検公式サイトでは、二次試験の流れを感覚的に掴める「バーチャル二次試験」というものがあります。
初めて受験する方は是非一度見てみてください。
合格率・合格ライン
残念ながら、現在では英検の合格率は公表されていません。
しかし、英検の公式サイトによると、 合格ラインについてこのように書かれています。
…正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/eiken-cse_admission.html
なので、準1級で目指すべきは7割。
個人的な感覚ですが、致命的なミスなくテンポよく的確な回答ができていれば、ちらほら文法等のミスがあっても二次試験に合格できるという印象です。
英検準1級二次試験で求められるレベル
では、英検準1級のレベルはどれぐらいかというと、英検公式サイトによると「大学中級程度」となっています。
こう言われても個人的にはあまりピンと来ないのですが、各級の審査基準によると、準1級スピーキングに求められるのは「 社会性の高い話題についてやりとりすることができる 」こととなっています。
このあたり、高校生以下の方も受験することの多い2級以下と比べると内容がやや難しくなっているということですね。
と言っても心配しすぎることはありません。
実際に二次試験の問題のサンプルを見てみましょう。
最初の自由会話は簡単なウォーミングアップといった感じなので、それほど心配することはありません。
自分の意見を問われるような質問に関しては、もちろん普段からある程度英語を話し慣れている方が有利です。
ですが、一次試験の英作文で自分の意見を英語で論じる練習はしているはずなので、これを応用すればOKです。
具体的にこのサンプル問題では、ナレーションの問題と続くNo2の質問は喫煙について、No3は日本の犯罪率は上がると思うか、No4は人々の意見が国の選択に影響すると思うか、ですね。
回答するのに特に難しい知識が必要なわけではないことが分かるかと思います。
そのため、ナレーションを別にすれば、自分がどう思うかとその根拠を簡単に英語で述べることができれば十分ということになります。 (練習方法は後述します。)
面接対策のカギは「ナレーション」
もうお分かりかと思いますが 、英検準1級の二次試験で何が難しいかというと「ナレーション」です。
つまりイラストを見て英語で描写する問題ですね。
カードを渡されたら1分で考え、その後2分間でナレーションを行うことを求められます。
二次試験のサンプル問題で言うと、この4コマのイラストの描写をするわけですね。
どうでしょうか?今ぱっと見て何となく描写できそうなことが浮かびますか?
ナレーション問題にある程度慣れていないと、
- 4コマの描写が終わらないうちに2分の時間制限に達してしまう
- 必要な情報を説明しきれず、終わるのが早すぎてしまう
ことがあります。
なぜナレーションの問題がとっつきにくいかと言うと、他の自分の意見を問われるような質問と違い、
- 客観的な描写が必要
- イラストに沿った説明を求められるため、言えることが限定されてしまう
からです。
だから英語がぱっと口から出でこないんだよね。
そのため、準1級の面接対策ではまずナレーションに焦点を当てて練習していく必要があります。
英検準1級二次試験の対策法と練習、おすすめの教材
こちらでは、私が実際に英検準1級の二次試験に一発合格した方法をご紹介します。
面接対策には、大きく分けて次の4つの段階で取り組みます。
- 二次試験の形式に慣れる
- ナレーションを強化する
- 自分の意見を述べる練習をする
- 予想問題で実践的な練習を重ねる
それぞれ説明していきますね。
1. 二次試験の形式に慣れる: 『【CD+DVD付】14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 』
まずは二次試験の形式に慣れましょう。
この段階でおすすめのテキスト 【CD+DVD付】14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題
こちらのテキストでは、オリジナルの予想問題が14問収録されています。
さらに、音声CDと面接の様子が分かるDVDが付いているので、二次試験を受けるなら手元に置いておきたい1冊です。
まずは、このテキストの1~3回目までを説明を読みながらやってみましょう。
この段階でのポイントは、
- 1分間でナレーションの準備をする感覚を掴む
- 2分間でナレーションを行う感覚を掴む
- どのような質問がされるのかを把握する
です。
一連の流れを3回分ほど繰り返すことで、試験の形式に慣れることができます。
最初は時間内に上手く答えられなくても大丈夫ですが、必ず時間を計って取り組んでください。
また、面接の練習ですので、口パクや頭の中で英文を考えるのではなく、実際に声に出して練習してくださいね。
この時点では、先程挙げた3つのポイントが掴めればOKです。
2. ナレーションを強化する: 『CD付 英語リプロダクション トレーニング 短期間で飛躍的に話せるようになる! 』
続いて、準1級二次試験で重要なナレーションを強化していきます。
まずは先程ご紹介した『 【CD+DVD付】14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 』の1~7回目ぐらいまでのナレーション回答を
ほぼ完全に自分の言葉で再現する
ことを目標にしましょう。
1~3回目は一度取り組んでいる問題なので、どんなナレーションをすればいいかは何となく頭に入っていると思います。
まずは模範解答を音読してみましょう。
音読が済んだら、2回目は模範解答を見ずに、自分で回答を再現できるか試してみてください。
あくまでも再現に努めればいいので、無闇に暗記をしないでくださいね。
使えるフレーズはどんどん覚えるべきですが、模範解答全体を暗記しようとすると、自分で考えて英文を作る力を養うことができません。
模範解答と同じような内容で、自分の言葉でナレーションできれば問題ありません。
ナレーションの具体的なポイントとしては、次の4つです。
- 指定された文からナレーションを始める
- 時制に気をつける
- 誰が何をしているところなのかを常に意識する
- イラストから読み取れる感情があれば描写する
1. 指定された文からナレーションを始める
サンプル問題を例に挙げて説明します。
ナレーションの問題では、カードに書いてある文章に「指定の文からナレーションを始める」よう指示されています。
この下線部にある、”One day, …”という部分から始めるという指示を守る必要があります。
2. 時制に気をつける
ナレーションで気をつけてほしいのが時制です。
先程説明した指定文が
One day, a woman was on her way to work.”
と過去形の文章なので、その後の自分で作る文章も過去形を貫く必要があります。
もっと言うと、ナレーションは描写の問題なので、動作を描写する際には「〇〇が~しているところ」と過去進行形を使うことになります。
サンプル問題の模範解答を見てみましょう。
全体を通して過去形が使われていること、「歩いている」「タバコを吸っている」という動作の描写では過去進行形が使われていることが分かりますね。
間違えやすいのは、下から4~5行目の文章にあるように、
“a sign had been put up to warn people that if they smoked while walking on the street, they would be fined 1,000 yen.”
と、文中で未来のことを言う場合等に助動詞もしっかり過去形にしてあげることです。
時制が一致した文章を話せるよう意識して、 何度も練習してみてください。
3. 誰が何をしているところなのかを常に意識する
描写の問題に限らず、英語で文章を組み立てるときに重要なのは、
「誰(何)」が「どうする(どういう状態)」
かを伝えることです。
これは英作文でも同じなのですが、ある程度慣れていないと大事な主語が抜けてしまったり、述語がはっきりしない文章ができあがってしまいます。
まずは文章の核となる 「誰(何)」が「どうする(どういう状態)」、つまりS(主語)とV(動詞) を組み立て、そこに場所や状況などの補足情報を足してあげましょう。
これが言わばナレーション問題で問われている「描写」の基礎です。
模範解答の1~2文目にある文章を例に取ってみると、
“As she was walking from the station, a man in front of her was smoking.”
と、太字の「彼女が歩いていたとき、ある男性がタバコを吸っていた」という核を必ず意識するということですね。
そこに”from the station(駅から)”や、”in front of her (彼女の前にいた)”という補足情報を足してあげる感じです。
これがすらすらと同時にできるようになるまで、練習しましょう。
4. イラストから読み取れる感情があれば描写する
「誰が何をしているところなのか」よりは重要ではありませんが、イラストから読み取れる登場人物の感情(嬉しがっている、心配している、がっかりしている等)があれば、併せて描写します。
例えば、イラスト3コマ目の女性の表情からは、喫煙所が作られているのを見て喜んでいるのが分かります。
模範解答では、
“the woman was pleased to see that some workmen were making a special smoking area near the station.”
と、ちゃんと彼女の表情から分かることを描写していますね。
登場人物の感情にも注目すると、話のスムーズな展開にも一役買いますし、描写の質が増すのでおすすめです。
ナレーションの練習におすすめの教材『CD付 英語リプロダクション トレーニング 短期間で飛躍的に話せるようになる! 』
時間に余裕のある方は、別のテキストでもナレーションの練習をすることをおすすめします。
この段階でおすすめのテキスト CD付 英語リプロダクション トレーニング 短期間で飛躍的に話せるようになる!
こちらは英検に特化した内容ではありませんが、同じようにイラストを見て描写する練習を行うことができるおすすめの本です。
英検準1級は4コマなのに対し、こちらのテキストにあるイラストは8コマです。
また、シャドーイングやサイト・トランスレーション(日本語を見ながらどんどん英語に訳していく)など、段階を踏んだ通訳訓練にも使われる方法で「英文を自分で作る」力を鍛えることができます。
準1級合格を目指している方にはもちろん、さらに上の1級や、英会話の上達を目指している方に非常におすすめの1冊です。
3. 自分の意見を述べる練習をする:『(MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇 』
ナレーションを強化したら、次は自分の意見を述べる練習です。
最初の方で説明したとおり、ナレーション問題の後には受験者の意見を問う質問が4つ待ち構えています。
ここでも『【CD+DVD付】14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 』を使って、1~7回目ぐらいまでの質問に対し、自分の意見をスムーズに答えられるよう練習しましょう。
英検準1級で自分の意見を英語で述べる際のポイントは
- まず、自分の立場を明確にする
- その意見の根拠(理由)を1~2文で話す
です。
例えば、サンプル問題のNo2の質問は、
Should more be done to warn children about the dangers of smoking?
(喫煙の危険性に関して子どもたちに警告するためにもっと多くのことがなされるべきか?)
なので、まず自分がそう思うのか思わないのか、賛成なのか反対なのか、を明確に述べます。
その後、なぜそう思うかを簡単に2文ほどで伝えられればOKです。
回答の内容はもちろん大事ですが、考えすぎて不自然な間が空きすぎてはスムーズな面接とは言えません。
そのため、大層な理由でなくてもいいので、すらすらと根拠を挙げられるように練習しましょう。
まずは模範解答を音読し、それを再現することから始めてみてください。
という方には、こちらのテキスト『 (MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇 』がおすすめです。
英作文対策用のテキストなのですが、自分の意見を述べ、根拠を挙げるという点では面接で問われる質問も英作文も同じです。
こちらのテキストでは様々なトピックを論じるための例文が豊富に紹介されており、英検対策に非常に役に立つ良書です。
是非目を通して、自分でも同じようなことが言えるようになるまで練習することをおすすめします。
この段階でおすすめのテキスト (MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇
4. 予想問題で実践的な練習を重ねる
自分の意見を述べる力を鍛えたら、 『【CD+DVD付】14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 』 の残りの7問を本番だと思って解いてみましょう。
この段階では、
- 時間を計る
- 実際に声に出す
- 録音して復習する
を徹底的に意識してください。
録音してみると、自分では上手く言えていたつもりでも実際にはよく分からない文章になっていたり、発音が良くない部分を客観的に見つけることができます。
録音が英語の上達に繋がる理由や具体的な練習方法については
「TOEIC980・英検1級保持者が教える、独学で英語スピーキングを上達させる最強の方法!」
「英語スピーキング上達法:一人でできるおすすめの練習はこれ!」
の記事で詳しく紹介しています。
英検準1級二次試験の対策法まとめ
- 二次試験の形式に慣れる
- ナレーションを強化する
- 自分の意見を述べる練習をする
- 予想問題で実践的な練習を重ねる
以上、英検準1級の面接対策法について説明しました。
準1級のナレーションや意見を述べる問題は、英検受験者でなくても取り組んだ方がいいような、非常にバランスの取れた内容です。
しっかりと練習を重ねれば、準1級合格はもちろん、今後英語を使う場面できっと役立ちますよ。
合格まであと一歩、頑張ろう!
英検1級の面接対策については「英検1級二次試験の面接対策法は?一発合格のコツと本当に役に立つおすすめのテキスト」の記事で詳しく書いています。
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