つい口に出してしまいそうな言葉です。
しかし、忙しくても英語学習を継続し、十分な満足感や成果を得ている人たちもいます。
ってこと、ありますよね。
英語学習の時間を確保し成長を続ける人と、思ったように英語を学ぶ時間を取れない人の差はどうして生まれるのでしょうか?
このことを考える上で避けて通れないのが時間管理、つまりタイムマネジメントです。
毎日少しずつでも英語を勉強する時間を確保できたら、数年後には英語がかなり上達しているかも、と思いませんか?
今回は、英語学習に役立つ時間管理のポイントについて書きたいと思います。
『1440分の使い方』で分かる「成功者」のスケジュール管理の秘訣とは?
時間管理のコツをつかむ上で参考になるのが、『1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣 (フェニックスシリーズ)』という本です。
『1440分の使い方 ― 成功者たちの時間管理15の秘訣 』の概要
著者は、ベストセラー作家、基調講演者、複数の数百万ドル規模の企業の創業者、シングルファーザーという、様々な顔を持つケビン・クルーズ氏。
本書では、7人の億万長者、239人の起業家、13人のオリンピック選手、29人のオールAの学生等を参考に
どうしたら時間管理を行い日々の生産性を上げられるか
ということが書かれています。

すごい人たちがどんな風に時間管理しているのか気になるよね。
ToDoリストは時間管理に役に立つのか?
本書で特に印象的なのは、序盤で書かれている「ToDoリストをやめる」という箇所です。
時間を管理する上で一般的に有効とされているToDoリストについて、本書では以下のような3つの問題点を挙げています。
- 長く時間がかかる項目とすぐできる項目が混在している
- 重要なタスクよりも、急ぎのタスクに飛びつきやすくなる
- 未完了のタスクを絶えず意識することで、不要なストレスを生む
では、どのように時間管理すべきなのかというと、
実際にタスクごとに対応する時間を決め、スケジュール表に落とし込む(タイムブロッキング)
ことが提唱されています。
例えば、あなたが
と思ったとします。
そうすると、すぐにスケジュール帳を開いて、
という風に、予定としてスケジュールに入れ込んでしまいます。
人と会う予定があったり、仕事のミーティングの予定等があったりすると、これは普段から自然にやっていることだと思います。
しかし、英語の勉強のための時間を具体的に決めて予定に組み込んでいる方は少ないのではないでしょうか。
「時間が空いたら勉強する」というやり方では、日々の忙しさに追われ、永遠に時間を確保できないままかもしれませんよ。
また、スケジュールに組み込むことには、心理的な効果もあると言います。
タスクはToDoリストではなくスケジュール表に入れる。なんと、たったこれだけのことで心が解き放たれ、ストレスが減り、認知能力が高まる。
フロリダ州立大学の研究によれば、ツァイガルニク効果(未完了のタスクによって意識的・無意識的に悩まされる現象)は、タスクを達成するための予定を立てるだけで克服できるという。
ケビン・クルーズ著『1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣』より抜粋
引用文にある「ツァイガルニク効果」ですが、
と1日の終わりに感じるあの何とも言えない不快感、ちゃんと名前がついていたんですね。
英語を勉強することがストレスになってしまうと、モチベーションを維持することは難しくなり、なかなか思うような成果は得られません。
なので、「やる!」と決めたのにやっていないことでストレスに感じるこのツァイガルニク効果を、いかに排除するかが英語を継続して勉強する上で重要となってきます。
このストレスが、実際に作業を行わなくては予定としてスケジュールに入れてしまうだけで解消できるということですから、上手く使わない手はないですね。

私のストレスの原因はToDoリストだったのね。
さらに、本書では生産性を上げる時間管理の方法として、
- 重要な項目はできるだけ朝の早い時間帯に済ませること
- 何も予定を入れない時間帯「バッファタイム」自体を予定に入れてしまう
ことが併せて提唱されています。
たとえば「毎日単語を30個覚える」というノルマを自分に課すとすると、朝活として一日の初めに終わらせてしまうのが効率的だし、心理的にも良いということですね。
また、やりたいことややるべきことが多くあるからといって、予定をぎゅうぎゅうに詰め込んでも実現の可能性は低くなってしまいます。
「バッファタイム」としてあえて何も予定を入れない時間を「予定」として入れ込んでしまうことで逆に生産性を上げることができる、というのは面白いですね。
忙しい主婦が英語の勉強を続けるために『1440分の使い方』から学べること
ToDoリストを使うなら、あくまで「タスクを見える化する手段」として使う
私は普段からToDoリストを頻繁に使用しています。ToDoリスト作成は、やるべきタスクを把握し、見える化する上で重要だと思うからです。
ですが、本書を読んでからは、ToDoリスト「だけ」でタスク管理をすることをやめました。
なぜなら、本書で指摘されているのは、
ToDoリストを見て次の予定を決めるな
ということだからです。
これは先ほど触れたように、ToDoリストには「重要なタスクよりも、急ぎのタスクに飛びつきやすくなる」等の問題点があるからですね。
実際に私の場合、ToDoリストを見ながら次に何をするかを決めると、今日は「これだけやった」と手っ取り早く達成感を得たいがために、すぐにできる簡単なものから済ませてしまうことがありました。
すると当然、気が進まない作業量の多いタスクや難易度の高いタスクは後回しになってしまいがちに。
例えば、英文を読むのは気軽にできるから頻繁にやるけれど、音読やシャドーウィングをするとなると割と気合がいるのでなかなかやらない…といった感じです。
音読の具体的な方法については「英語リスニングの勉強法:上達のための練習には音読がおすすめ!」の記事で詳しく書いています。
こういった事態を防ぐため、今ではToDoリストとしてやることを見える化した後に、
- 優先度の高いものからGoogleカレンダーに入れ込む
- 予定の時間の少し前にリマインドが来るよう設定する
ようにしています。
こうすることで、「今日もできなかった…」という要らぬストレスが減り、予定として意識することで実際にタスクをこなしやすくなります。
その結果、以前よりも高い満足感を得られるようになりました。
この方法は特に、TOEICや英検等、ある期限までに一定量の英語学習をこなす必要があるときに役に立つと感じています。
TOEICで高得点を取るための勉強法については「教材は基本的に1冊でいい!TOEIC対策をほとんどせずにスコア980を取った私の勉強法」の記事で詳しく書いています。
英語学習の時間を確保するには、受け身のスケジュール管理はNG!
本書を読んで感じたのは、
時間管理は自分がやりたいことをする時間を確保するためのスキル
だということです。
仕事をしていると、打合せや出張等のスケジュールが半強制的に埋まっていくと思います。気づけばいつも遅くまで残業していて、英語学習の時間なんてなかなか取れないと感じている方もいるでしょう。
また、育児や家事に追われる主婦の方なら、子供や夫のスケジュールに合わせて動くことが普通になってしまっているかもしれません。
いずれも大切なことなのですが、そういった受け身のスケジュール管理ばかりをしていると、いつまで経っても自分のために時間を取ることはできません。
日本で英語の上達を目指すなら特に、意識して英語に触れる時間を増やすしかありません。
なので、本書に書かれている時間管理術等を使って、自分に必要な時間を積極的に確保していく必要があります。

今のやり方で英語を勉強する時間が取れないなら、自分のためにどうしたら時間を確保できるかを考えないとね。
終わりに
本書にはこの記事で紹介した点以外にも、先延ばしを防ぐためのコツ等、生産性を上げるためのヒントが多く書かれています。
「英語の勉強がしたいけど時間がない」という方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

上手く時間管理して、自分の成長や満足に繋がる時間を作り出そう!
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