英語学習、継続できていますか?
長く英語を学び続けていると、こんな風に思うことはありませんか?
- 本番(TOEICや英検等の試験や海外出張等)が迫っているのでなかなかやる気になれない
- 毎日勉強は続けているが、同じことの繰り返しで面白くない
人間は安定を好む生き物ですが、同時に単調な日々の繰り返しだと飽きを感じてしまいます。
かく言う私も、いつでもフルパワーで英語を学んだり仕事をしたりできているわけではありません。
そんな時に役に立ったのが『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』という本です。
今回は、この本を読んで印象に残った、英語学習にも使える生産性を上げる方法についてご紹介したいと思います。
英語の勉強がマンネリ化している方におすすめの本:『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』
全米でベストセラーとなった本書は、最新の研究や論文等、エビデンス(証拠)を挙げながら、多くの人が持っている「成功」に対する勘違いを正していくという内容の本です。
著者のエリック・バーカー氏はアメリカの人気ブロガーで、『ウォール・ストリート・ジャーナル』『タイム』などの有名媒体にも寄稿している方だそうです。
本書では具体例や科学的根拠を交えながら、世の中に溢れた誤った成功法則を痛快にぶった切っています。
英語上達に限界を感じるのを防ぐには、ゲームの仕組みを取り入れよう
「退屈」をなくせば「努力」は不要?
本書で最も印象に残ったのは、目標達成の助けとなるちょっとした工夫について書かれた部分です。
それは、
生活にゲームの仕組みを取り入れて、退屈な瞬間を楽しいものに変える
ということ。
「退屈」が取り除かれたことで望んだ成果が得られた例として、イェール大学のカフェテリアで、食後に手に消毒をする学生を増やすために考えられた工夫が紹介されています。
それは手を消毒するという作業を面白くすることで、消毒剤を使う度に音が鳴る仕組みを作ったところ、消毒する学生が7倍に増えたのだそうです。
以前、阪大病院のユニークな消毒装置が話題になっていましたが、まさにこういったことですね。
この退屈な瞬間を面白いものに変えるゲームの要素を仕事や人生に応用すれば、やるべき作業は捗り、自分の望む「成功」に近づけるというわけです。
生産性を上げる、面白いゲームの四つの条件とは
私たちが意識すべきこととして、著者は面白いゲームに含まれる共通要素である4つの点を上げています。
- 勝てること
- 斬新な課題
- 目標
- フィードバック
1. 勝てること
まず「勝てること」について。
面白いゲームというものは、粘り強くやれば勝算が見込めるもの。
勝てる見込みのないゲーム(難しすぎる課題)ではやる気がなくなってしまいます。
まずは上手い具合に取り組むことのレベル設定をする必要があるわけですね。
「英語学習のモチベーションが上がらない?独学でもやる気を保つ秘訣とは」という記事で、「自分の今のレベルよりも少しだけ難しい教材を選ぶ」ことをおすすめしました。
「勝てる見込みのあること」が大事だからっといって、簡単すぎる内容のものばかりに取り組んでいては、新しい語彙や言い回し等の学びを得ることができません。
逆に、「私にはまだまだこのレベルはできない」と思ってちょっと難しいレベルの教材や仕事に手を出さないでいると、それこそマンネリ化してしまいますよね。
つまり、取り組む内容が簡単すぎても難しすぎても、継続して成長を感じることはできないというわけです。
例えば、
- 単語帳を使って語彙を勉強している→ネット上の英文記事から語彙を学ぶ
- オンライン英会話で気軽な内容ばかり話している→テーマを決めて講師とディスカッションしてみる
- 気づけば手軽なリーディング学習ばかり→一定期間集中してライティングに取り組んでみる
- 日常会話はできるようになったがそこから伸びない→通訳のコースや練習方法を取り入れてみる
ちなみに、通訳メソッドを学ぶにはこちらの本がおすすめです。シャドウィングや英文の組み立て方が分かりやすく学べるので、上級者である必要はありません。
2. 斬新な課題
また「斬新な課題」という観点も面白いもので、要は
対象が退屈だと人はその作業に没頭するこができないし、ましてや楽しむことができない
ということです。
目の前の作業を面白いゲームにできるかどうかは私たちにかかっています。
つまり、自分で新たな課題を見出し、その行為に意味を持たせる必要があります。
「そんなことより楽をしたい」と考えるあなた、私もその気持ちはよく分かります。
そんな私たちをどきりとさせる文章が本書にはあります。
人は、いつでも楽であることを求めるが、じつは本当の幸せをもたらすのは刺激である。私たちは楽をしようとしてあまり働かなくなり、 おざなりに仕事をこなし、早々に退社する。これは燃え尽きの兆候だ。こんなときな何かを差し引くより、むしろ新たな課題を加えるほうが仕事への情熱を生むことがある。
エリック・バーカー著『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』より抜粋
英語学習やその他のやるべきことを面白くしたければ、自分で魅力的な課題を設定すること。
それが情熱や充実感に繋がり、最終的には幸せをもたらしてくれるということですね。
ただ楽をするだけでは、求めている幸せから遠ざかってしまうかもしれません。
3. 目標
同様に「目標」についても、時間制限を設けるなど、誰かから与えられた目標ではなく、自分自身の目標を設定することが肝心です。
「英語の勉強をやり直す際のコツ:挫折しないために意識すべき「意図的な練習」とは?」の記事で書いた「意図的な練習」でも、
ある一点に的を絞って、ストレッチ目標[高めの目標]を設定する
ことが重要と書きました。
英語学習がマンネリ化している人は、今一度目標設定を見直してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、目標を立てる際の個人的なおすすめポイントは、
社会的な評価や他人との比較で目標を立てるのではなく、達成したことを考えるとわくわくするような目標を立てる
ことです。
一見自分の目標に思えてしまう「誰か」の目標では、やる気が出なくて当たり前です。
本当に自分が目指したい目標を、自分自身の考え・感情・憧れ等を基に思い描いてくださいね。
4. フィードバック
そして最後は「フィードバック」。
本文中では「すぐれたゲームはたえず直接的なフィードバックを与えることにより、人びとにプレーを続けさせる」と書かれています。
フィードバックがもらえないなら自ら求めたり、自分で自分の作業の進展を認め、感じるようにしましょう。
「英語の発音矯正にはフィードバックをもらうのが近道!」という記事でも、フィードバックを得る効果について触れています。
独学で勉強しているとこの点がおろそかになってしまいがちです。
定期的に実践の場(オンライン英会話の利用や覚えたフレーズを実際の仕事で使ってみる等)を設けて、フィードバックをもらったり、相手の反応を見てみるようにしましょう。学べることは多くあるはずです。
ちなみに、ポイントは小さな成功を多く実感することです。
実際、たえずささやかな成功が得られるほうが、ときどき大きな成功を手にするより、幸福感につながることがデータによって示されている。「大きな功績にしか関心を示さない者より、小さな成果を途切れなく感じている者のほうが、人生に対する満足感が22%高い」という。
エリック・バーカー著『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』より抜粋
英語学習を念頭に置いて『残酷すぎる成功法則』を読んだ感想
今回ご紹介したもの以外にも、本書には多くの「成功」へのヒントが書かれています。
読んでいて感じたのは、
考え方や工夫によって得られる成果は変わる
ということです。
何も意識していないのと自分にプラスになることを意識しているのでは物事の見え方は違ってきます。
また、意識しているだけなのと少しでも実際に行動してみるのとではまた大きな違いがあるでしょう。
なので、いつもの学習方法にばかりこだわるのではなく、
上記のゲームの仕組みを意識しながら、気になった勉強の仕方があれば柔軟に試してみる
ことをおすすめします。
やるもやらぬも自分次第。
日常の英語学習をより面白くしたければ、自分がわくわくする要素を意識的に作ってあげましょう。
終わりに
今回は『残酷すぎる成功法則』から、英語学習にお応用できる、日常のマンネリを打破して生産性を上げる方法をご紹介しました。
どうせなら充実した日々を過ごしたい方や、根拠が無いとやる気になれないという方には特におすすめの本です。
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