赤ちゃんの英語教育はいつから?ママが知っておくべき意外な事実とは

赤ちゃんの英語教育って効果あるの? コラム
赤ちゃんの英語教育って効果があるの?

と思ったことはありませんか?

また、子どもの英語教育に関心のある方なら

いつから英語教育を始めればいいの?

という点が気になりますよね。

小さい頃から英語に慣れていた方が吸収が速い、というのは何となく分かるかと思います。

ですが実は、子どもは自分で言葉を発することができないときからでも言語を学ぶことが可能です。

今回は、英語教育に関心のあるママに知ってほしい赤ちゃんの言語学習能力について書きたいと思います。

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子どもの英語教育、まずは1歳になるまでを意識しよう

遊んでいる赤ちゃん

子どもは7歳になるまで語学の天才

こちらのTEDトーク”The linguistic genius of babies”(「赤ちゃんは語学の天才」)は、赤ちゃんの言語学習能力について興味深いことを教えてくれます。

右下の歯車のマークから日本語や英語の字幕を表示することができます。

英語学習におすすめのTEDトーク、字幕全文の表示方法については「初心者でもOK!英語学習におすすめのTED動画6選」の記事で詳しく書いています。

パトリシア・クール博士によるこちらの動画では、序盤(1:23あたり)で言語の習得の「臨界期」を示すグラフが示されます。

「臨界期」とは学習の効果が最もよく現れる時期であり、その時期を逃すと学習効果が大きく低下してしまう時期のことです。

クール博士が示したグラフによると、第二言語の習得能力は7歳までがピークで、その後極端に低下してしまうことが分かります。

つまり、英語を含め第二言語の学習で最大の効果を得るには7歳までが肝心だと言うことです。

※大人だからもう学べないというわけでは決してありません。ただ、子どもの学習で得られるものとは圧倒的な差があるということです。

1歳になる前は誰でもあらゆる言語の音を聞き分けられる

クール博士は動画の中で、赤ちゃんのことを「citizens of the world(世界市民)」と呼んでいます。

赤ちゃんはあらゆる言語の音を聞き分けられるからです。

一方で大人のことは「culture-bound listeners(文化に縛られた聴き手)」と表現しています。

大人は自分の言語は聞き取れても外国語の音が聞き取れないからですね。

そして、いつ私たちがこの「世界市民」の能力を失ってしまうかというと、「最初の誕生日を迎える前」であると指摘しています。

実験では、生後6~8ヶ月では東京の赤ちゃんもシアトルの赤ちゃんも「r」と「l」を聞き分ける能力に差がないのに対し、10~12ヶ月となると大きな差ができてしまいます。

これは、赤ちゃんが生後10~12ヶ月になると、

  • 自分の言語で話されているで使われる音を認識するのがより得意になる
  • 普段聞かない音を認識する能力を徐々に失う

ということが起こるからです。

そのため、日本語を聞いて育った赤ちゃんは、初めは区別できていた「la」と「ra」の違いが成長すると聞き取れなくなってしまうんですね。

「l」と「r」の違いには苦労させられるよね…

赤ちゃんの第二言語の学習は何が効果的?

この動画の内容で個人的に面白いと思ったのは、臨界期に赤ちゃんを第二言語に触れさせる実験です。

生後6~8ヶ月のアメリカ人の赤ちゃんに、中国語で話しかけるセッションを12回行います。

すると、この実験で12回に渡って中国語に接した赤ちゃんは、10ヶ月半ずっと中国語を聞いてきた台湾の赤ちゃんと変わらず中国語を認識できることが分かりました。

つまり、何語であろうと赤ちゃんは自分が触れた言語から音を学ぶということですね。

さらに興味深いのが、音声やビデオでこのセッションを同じ程度行っても、学習効果は全く見られなかったということです。

要は、赤ちゃんに話しかける本物の人間が必要だということですね。

TEDトーク”The linguistic genius of babies”の重要ポイントまとめ

これまでに触れた内容の重要な点を整理すると、次のようになります。

  • 第2言語の学習で最も効果が得られるのは7歳まで
  • 生後6~8ヶ月までの赤ちゃんは、どんな言語の音でも聞き取れる
  • 生後6~8ヶ月の赤ちゃんは、何語であろうと触れた言語を学習できる
  • 生後10~12ヶ月になると、母国語以外の音を聞き取るのが不得意になる
  • 赤ちゃんの第二言語学習で効果を上げるには、実際に人が語りかける必要がある
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英語の胎教は効果あり?赤ちゃんはお腹の中にいるときから言語を学んでいる

妊娠中の女性

もう1つ、赤ちゃんの言語学習に関する興味深い内容を扱った記事をご紹介します。

こちらの記事によると、なんと赤ちゃんはお腹の中にいるときから言語を学んでいるのです。

赤ちゃんはお腹にいるときからママの声を聞いている

まず、赤ちゃんは妊娠後期にお腹の中で聞いていた声を生まれてから区別して認識することができます。

特に母親の声にいたっては顕著で、他の人の声よりもお腹にいるときに聞いていた声を好むことが分かっています。

Newborns can recognize the voices they’ve been hearing for the last trimester in the womb, especially the sounds that come from their mothers, and prefer those voices to the voices of strangers.

(新生児は子宮の中で妊娠後期に聞いていた音、特に母親が発する音を認識することができる。そして、他の人の声よりもお腹にいる頃に聞いていた声を好む。 (筆者訳) )

https://www.nytimes.com/2017/02/21/well/family/language-lessons-start-in-the-womb.html  

また、科学系ライターのアニー・マーフィー・ポール氏のこちらのTEDトークでは、このように説明されています。

…the pregnant woman’s own voice reverberates through her body,reaching the fetus much more readily. And because the fetus is with her all the time, it hears her voice a lot. Once the baby’s born, it recognizes her voice and it prefers listening to her voice over anyone else’s.

(…母親の声は彼女の身体を通して反響し胎児にすぐ届きます。そして常に母親と一緒の胎児は母親の声を沢山聞いています。赤ちゃんが生まれてからは母親の声を認知し他人の声よりも母親の声を好みます。)

https://www.youtube.com/watch?v=stngBN4hp14

つまり、お腹の中にいると母親の声の聞こえ方は特別なので、赤ちゃんは生まれてからは特に母親の声を好むということですね。

ママの声は特別なんだね。

生まれる前・生後間もない間に聞いた言語が音の認識と生成に影響を与える

また、同様にこの記事で触れらている実験に興味深いものがあります。

実験の対象となったのは、韓国で生まれ、乳幼児の頃にオランダの家族に養子として迎えられた子どもです。

この子どもたちは、オランダ語を話すオランダで生まれた子どもたちよりも、韓国語の発音を身につけるのがずっと上手であると分かりました。

面白いことに、自分で言葉を話し始める生後17ヶ月以降に養子となった子どもだけでなく、生後6ヶ月未満で養子となった子どもについても同様の結果となりました。

つまり、まれる前にお腹の中で聞いていた言語や、生後間もない間に聞いていた言語が、音の認知や発声に影響するということです。

また、同記事内ではこのような説明があります。

So the research shows that even very early in life, babies’ brains are able to distinguish patterns of sound, and apply those rules years later to the task of learning how to produce sounds that have not been part of their daily speech.

(研究結果は、非常に早い段階で赤ちゃんは音のパターンを区別することができ、何年か経って日常の話し言葉にない音の発声を学ぶ際にそれらのルールを応用できるということを示している。(筆者訳))

https://www.nytimes.com/2017/02/21/well/family/language-lessons-start-in-the-womb.html

これらのことを考慮すると、英語の胎教や生後間もない頃からの英語教育にも効果が期待できることが分かりますね。

“Language Lessons Start in the Womb” の重要ポイントまとめ

これまでに触れた内容の重要な点を整理すると、次のようになります。

  • 赤ちゃんはお腹の中にいるときに聞いていた音・声を生まれてからも好む
  • 赤ちゃんは特に母親の声を好む
  • 生まれる前・生後間もない間に聞いていた言語が、音の認知や発声に影響する
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英語教育・おうち英語のために妊娠中・育児中のママにできること

赤ちゃんの足

英語教育のために意識したいこと

ここまでで紹介した内容を赤ちゃんの英語教育に活かそうとすると、特に意識したいのは

  1. 生後6~8ヶ月(長い目で見ると7歳)までに
  2. できればママが(もしくは誰かが対面で)直接英語で話しかける

ことです。

こうなると、

私は英語が上手くないし赤ちゃんに英語なんて教えられない…!

と考えてしまうかもしれませんね。

でも大丈夫です。自然に、簡単にできる範囲でママができることをしてあげましょう

先ほどの記事でも、幼児と言語習得の関係性について研究する心理学者のクリスティーン・ムーン博士、心理言語学者のアン・カトラー教授はこのようにアドバイスしています。

“The basic message to parents is don’t get too wrapped around the axle about preparing your extremely young infant for language,” Dr. Moon said. “Just do those things that are really natural and easy.”

(「子育て中の人に向けて伝えたいのは、極端に早い時期から子どもに言語を学ばせることに振り回されすぎないで、ということです」とムーン博士は言う。「とても自然で簡単なことをただやればいいのです」(筆者訳))

https://www.nytimes.com/2017/02/21/well/family/language-lessons-start-in-the-womb.html

“Talk to your baby,” Dr. Cutler said. “Your baby is picking up useful knowledge about language even though they’re not actually learning words.”

(「赤ちゃんに話しかけてください」と、カトラー博士は言う。「赤ちゃんは実際には言葉自体を学んでいるわけではありませんが、言語に関する使える知識を吸収しています。」(筆者訳))

https://www.nytimes.com/2017/02/21/well/family/language-lessons-start-in-the-womb.html

ママが赤ちゃんの英語教育のために実践可能な2つのこと

以上のことを踏まえて、ママが赤ちゃんの英語教育のためにできることを2つ挙げます。

  1. 英語で話しかける
  2. 英語で絵本の読み聞かせをする

まず、「英語で話しかける」ですが、簡単なフレーズでいいので、ママが積極的に英語で話しかけてあげましょう。

以下のように、参考にできる書籍はたくさんあります。

まずは気になるものをピックアップしてみてはいかがでしょうか。

次に「英語で絵本の読み聞かせをする」ですが、これも「英語が上手く読めない…」と心配することはありません。

読み方や発音が分からないなら、読み聞かせの音声を「完コピ」してみてはいかがでしょうか。

たとえば、

はらぺこあおむし 英語 読み聞かせ

等をYoutubeで検索すると英語の読み聞かせの音声を聞くことができますし、以下のようにCDが付属している絵本もあります。

できればママが読み聞かせをしてあげるのが望ましいので、お手本の音声をマネして、イントネーションや発音を完全にコピーできるまで練習してみましょう。

これは要は音読の練習なので、ママ自身の英語力アップにも役立ちますよ。

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赤ちゃんの英語教育、知っておきたいことまとめ

  • 第2言語の学習で最も効果が出るのは7歳まで
  • 生後6~8ヶ月までの赤ちゃんは、どんな言語の音でも聞き取れる
  • 生後6~8ヶ月の赤ちゃんは、何語であろうと触れた言語を学習できる
  • 生後10~12ヶ月になると、母国語以外の音を聞き取るのが不得意になる
  • 赤ちゃんの第二言語学習で効果を上げるには、実際に人が語りかける必要がある
  • 赤ちゃんはお腹の中にいるときに聞いていた音・声を生まれてからも好む
  • 赤ちゃんは特に母親の声を好む
  • 生まれる前・生後間もない間に聞いていた言語が、音の認知や発声に影響する

今回は、英語の胎教・赤ちゃんの英語教育について書きました。

子どもが楽しく英語を身につけられるように、ママにできることをやっていきましょう。

この記事で紹介したTEDトークや記事は分かりやすく非常に面白い内容なので、英語学習中の方は是非ご自身で見て(読んで)みてはいかがでしょうか。

コラム英語学習
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この記事を書いた人
とり子

英語講師・翻訳者。
4か月女児のママ。

\忙しいママにも英語を学ぶ楽しみを!/
●読んだその日から実践できる英語勉強法を多数紹介
●TOEIC980・英検1級保有者の学習ノウハウを公開
●ときどき日々の暮らしに関すること

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