フリーランス等の形で個人でお仕事をされている方、開業届は出していますか?
私は昨年からフリーランスで働き始めたのですが、数か月間も開業届を出していませんでした。
そして昨年末、確定申告の時期も迫りつつあったので、開業届に関するいろいろな疑問を税務署で聞いてきました。
この記事では私の無知が露呈してしまいますが、同じような境遇の方の参考になればと思い、まとめてみたいと思います。
本当、いろいろややこしいよね…
開業届を出してない?提出期限やメリットを確認
開業届はいつ出すものなのか?
まず開業届自体についてですが、開業届(個人事業の開廃業届出書)は
個人事業を始めたことを税務署に通知するための書類
です。
開業届を提出していなくても、個人でお仕事をすることは可能です。
ですが、自分で仕事を始めた時点で個人事業主となるので、その仕事が事業に該当するのであれば開業届の提出が必要になります。
ちなみに事業とは「反復・継続・独立している仕事」のことだそうです。
お小遣い程度でなく、生活を支えるためにやっていることだと普通は事業になりそうですね。
開業届の提出期限は?
開業届には提出期限があり、
開業から1か月以内
となっています。
あらら、出してなかった…(汗)
ただ、提出していない場合でも罰則等があるわけではありません。
条件を満たしていれば確定申告は必要ですけどね!
開業届を提出するメリット
「出さなくても大丈夫なら面倒くさいし放っておこうかな」という方、開業届を出すと得られるメリットがあるんですよ。
開業届を出すと青色申告ができるようになり(別途届出が必要)、
最高で65万円を差し引くことができる青色申告特別控除
を受けることができます。
※他にもメリットはありますがここでは割愛します。
会社員等で給与所得を得ている場合は収入に応じた給与所得控除を受けているのですが、個人事業主で青色申告をしていない場合(白色申告)は、こういった控除がないのです。
つまり、
経費以外の収入がほぼまるごと課税対象となってしまう
ということですね。
青色申告をするためには以下の必要事項にご注意ください。
- 複式簿記による帳簿付け
- 貸借対照表及び損益計算書を作成し、確定申告書に添付
- 確定申告書を提出期間(2019年は2月18日(月)から3月15日(金))中に提出
簿記の知識が十分にある方なら心配ないかもしれませんが、通常は会計ソフトが必須になるかと思います。
実際に私も今年度分から青色申告をするので、『やよいの青色申告オンライン 』を使用しています。
このソフトは初年度0円(通常8000円(税抜))で利用できるので、実際に今私は無料で帳簿付けができています。
1年まるまる使えて0円というのはかなり便利なので、会計ソフトをお探しの方にはおすすめですよ。
ちなみに、こんな感じの画面で分かりやすく仕訳入力ができます。(仕訳入力画像はサンプルです。)
開業届についての疑問を税務署で確認!あとから出しても大丈夫?
ということで遅ればせながら開業届を出そうと動き始めたのですが、いざ調べてみるといろいろと疑問が出てきました。
具体的には以下の点です。
- これまで開業届を出していないが、後から出せるか?
- 開業日の日付はどうやって決めればいい?
- 複数事業がある場合の職業欄の書き方は?
- ハンドメイドやアフィリエイト等、事業と言えない少額の収入は開業届に書くのか?確定申告時はどうすればいい?
- 開業届に書いた住所地が変わった場合や、後から事業が増えた場合はどうすればいい?
- 給与所得と事業所得がある場合、給与所得控除、青色申告控除がそれぞれ受けられるのか?基礎控除はどうなる?
- 確定申告を電子申請するにはどうすればいい?
疑問多っ!
確定申告は意識していたので取引に関連する記録は小まめに付けていたのですが、お恥ずかしながら、この辺りのことは全然分かりませんでした。
「これはもう直接聞いてしまう方が早い!」ということで、税務署に行ったわけです。
それぞれ税務署からの回答をまとめたいと思います。
1. これまで開業届を出していないが、あとから出せるか?
開業届出してなかったんですが、今からでも出せますか?
出せますよ!
先ほど書いたとおり、開業届には提出期限があり、開業から1か月以内となっています。
ですが私の場合は1か月等とうに過ぎてしまっており、念のためこの点から確認しました。
提出期限を過ぎてしまっていても、開業届を後から提出することは可能です。
2. 開業日の日付はどうやって決めればいい?
開業日について疑問に思ったのは、開業日次第で今年度分の青色申告ができるかどうかが決まるからです。
と言うのは、青色申告承認申請書(青色申告を始めるために出す書類)の提出期限は
- 1月1日~1月15日までに開業した場合・・・その年の3月15日まで
- 1月16日以降に開業した場合・・・開業日から2ヶ月以内
となっており、今年の初めに事業を始めたのでなければ
開業日から2ヶ月以内
というのが重要となってきます。
あわよくば開業届を出した年度から青色申告できないかという淡い期待を抱きつつ、開業日について聞いてみました。
開業日の日付はどうやって決めればいいんですか?
事業を始めた日の日付を書いてください。
詳しく聞いてみると、具体的な開業日は特に記録等が無くても自分で決めていいそうです。
例えば最初の取引の日にしてもいいし、その仕事をするまでに準備する期間があったとしたら、行動し始めた日を開業日にしてもいいということです。
事前にネットで読んだ話で、「開業届を後出ししたが、開業日を最近の日付にして今年度分から青色申告できるようにした」みたいなものがあったのでそれについても聞いてみました。
自由に決められるということは、青色申告できるように最近の日付を書いてもいいんですか?
実際にはそうできてしまいますが、何かあった時に取引の日付けと開業日が異なると、青色申告特典の不正受給のようにも捉えられかねないですよ。
まあ正直に聞いたらそう答えますよね、という回答ですよね(笑)
やろうと思えばできるけれどもリスクがあるよ、自己判断で
ということだと思います。
すぐに開業届や青色申告承認申請書を提出していなかったのは自分のミスなので、昨年度は大人しく白色申告しました。
ちなみに来年度に青色申告をしたければ(白色申告から青色申告の切り替え)、
青色申告に変更する年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出
すればOKです。
本当に書類を提出するだけなので一瞬で終わりましたよ。
3. 複数事業がある場合の職業欄の書き方は?
私の場合、現状フリーランスとしては異なる2種類のお仕事があります。
開業届には職業欄を書く箇所があるのですが、どう書いたらいいか分からずにいました。
ちなみに、事業所得が290万円を超えると課税される事業税というものがあります。
多くの職業で5%ですが、職業によっては事業税の税率が変わったり、「文筆業」等、非課税となる職業もあります。
申告する職業はその辺りにも関わってくるということです。
複数事業がある場合、職業欄には何と書けばいいですか?
主となる方の職業を書いてください。
現状、収入や費やしている時間が同じぐらいなのですが…
では、これから力を入れていきたい方を書いてください。
ということで、職業欄に書くのは主となる職業があればそちらを、特に無ければどちらでも良いようです。
ちなみにこの場合でも、「事業の概要欄」には2つの職業を書きます。
4. ハンドメイドやアフィリエイト等、事業と言えない少額の収入は開業届に書くの?確定申告時はどうすればいい?
私の場合、ハンドメイド品の売上が年3万円程、ブログ関係のアフィリエイトの収入が年1~2万円程ありました。
月じゃなくて年ですからね、本当にお小遣い程度です。
結論から言うと、
この規模だと事業ではない(この点も確認しました)そうなので、開業届に記載する必要はない
そうです。
もしかすると今後増えるかもしれない(淡い希望)、お小遣い程度の収入は確定申告時はどうしたらいいですか?
現状は雑所得で申告してください。規模が大きくなってきたら改めて税務署に相談してください。
とのことでした。
5. 開業届に書いた住所地が変わった場合や、後から事業が増えた場合はどうすればいい?
住所や事業に変更があった場合はどうすればいいですか?
その都度税務署に相談してください。
とのことでした。
税務署に相談すると、何か必要な手続き等があれば教えてもらえます。
6. 給与所得と事業所得がある場合、給与所得控除、青色申告控除がそれぞれ受けられるのか?
ちなみに給与所得もあるんですが、それぞれに控除が適用されるんですか?
給与所得には給与所得控除、事業所得には青色申告の場合は青色申告控除が適用されます。
基礎控除はどうなるんですか?
給与所得と事業所得の合計から基礎控除(最大)38万円が控除されます。
なるほど、まあそうですよね。
ちなみに基礎控除は誰にでも(会社員でも個人事業主でも、白色申告でも青色申告でも)適用される控除のことです。
7. 確定申告を電子申告するにはどうすればいい?
確定申告を電子申告(e-Tax)するにはどうすればいいですか?
2019年から電子申告(e-Tax)がちょっと簡単になりますよ。
これについては別記事でまとめていますので、気になる方は見ていってください。↓
実際、事前にやることだけやっておけば、割と簡単に確定申告書類の提出がネットでできましたよ。
フリーランスの確定申告や税金に関するおすすめ本
確定申告や税金等について学ぶにあたって、この2冊の本が非常に参考になりました。
『個人事業の経理と節税のしかた』
『フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。』
フリーランスの開業届の書き方まとめ
以上、よく分からないことだらけの初心者が、開業届について税務署で聞いてきた内容でした。
人によって状況は異なるでしょうし、私の説明が不十分な部分もあるかと思います。
なので、この記事はあくまでも参考としていただければと思います。
細かい点や不明瞭な点は直接税務署に相談してくださいね!
コメント
とても分かりやすい編集で勉強になりました!